fc2ブログ

草刈遺跡群(千葉県市原市)を訪問しました

草刈古墳群(千葉県市原市ちはら台)は、村田川下流の低地に面した台地上にあり、旧石器時代から古墳時代までの遺構が重層的に含まれる大規模な遺跡群です。かつては180基を超える古墳があったようですが、1975(昭和50)年から始まったニュータウン開発に伴い、発掘調査が終わった遺跡から宅地に変えられていき、現在は「まきぞの自然公園」として整備された13基ほどが残されているのみです。その中でも前方後円墳は墳丘がきれいに整...

大覚寺山古墳(千葉県千葉市中央区)を訪問しました

大覚寺山古墳(千葉県千葉市中央区生実町)にある古墳時代中期に造られた千葉市内では最大規模の前方後円墳です。1969(昭和44)年に宅地造成のために山林を伐採している最中に前方後円墳であることが判明しました。・墳丘全長: 63ⅿ・前方部(→四角い所)が後円部(→丸い所)よりも約1.4ⅿ低いという、前方後円墳の中でも古い時期の形状となっています。後述の七廻塚古墳より古い時代に築かれたのでしょう。近隣にはこの地域で最大規模の直...

南河原坂窯跡群(千葉県千葉市緑区)を訪問しました

南河原坂窯跡(ようせき)群(千葉県千葉市緑区あすみが丘)は、古墳時代に須恵器釜と土師器焼成遺構の両方を持つ房総半島最大の土器生産施設です。ここから直線6㎞の距離にある権現後遺跡も土師器焼成遺構7基を擁する遺跡です。この辺りは土器の一大生産拠点だったのでしょう。千葉市の調査によると、出土墨・刻書土器におけるヘラ書き土器の割合は以下の通りです。・南河原窯跡群→121個中、ヘラ書き118個(97.5%)・権現後遺跡→208...

荒久古墳(千葉県千葉市中央区)を訪問しました

荒久古墳(千葉県千葉市中央区青葉町)は、青葉公園内にある保存されている、古墳時代終末期にあたる7世紀頃の古墳です。1891(明治24)年から始まった発掘調査の出土品の大半は、関東大震災や太平洋戦争、戦後の混乱期に散逸してしまいましたが、1959(昭和34)年の発掘調査では、琥珀製棗玉(こはくせいなつめだま)3個や鉄製馬具の破片、1体分の人骨などが出土しました。荒久古墳は凝灰質砂岩の切り石を積んで作った石室が特徴として...

椎名崎古墳群(千葉県千葉市緑区。千葉県市原市)を訪問しました

椎名崎古墳群A市群(千葉県千葉市緑区おゆみ野中央)は古墳時代の6世紀に造られた古墳群ですが、1975(昭和50)年よりおゆみ野地区・ちはら台地区の開発が始まると、数百あった古墳の多くが壊されてしまいました。しかし、椎名崎古墳群A市群は、市による調査・整備が進められ形を確認することができます。〖1号墳〗前方後円墳・全長: 53.8ⅿ・墳丘長: 44.6ⅿ・後円部(→丸い部分)径: 30ⅿ (周溝含めると40ⅿ)・前方部(→四角い部分): 14....

北野天神山古墳と東関山古墳(千葉県市原市)を訪問しました

北野天神山古墳(千葉県市原市菊間)は別名権現山古墳ともいい、前述の姫宮古墳から約100ⅿの同じ台地上にあります。古墳時代の5世紀末に造られた前方後円墳で、円筒埴輪や須恵器(すえき→朝鮮式の土器)が出土しています。ただし、長い年月にかけて掘削が著しく行われ、現在では前方部(→四角い部分)は崩されており、後円部(→丸い部分)の一部が残されているのみです。・全長: 約90ⅿ・後円部径: 45ⅿ・高さ: 8ⅿ*************...

菊間天神山古墳(千葉県市原市)を訪問しました

菊間天神山古墳(千葉県市原市菊間)は、古墳時代の5世紀末に造られた円墳です。菊間古墳群の中では埴輪が出土した円墳の中では最大規模の径をもちます。ただし、古墳の北西側の周溝部は削られた形跡があります。墳頂部には祠がありました。・全長(径): 40ⅿ・手永貝塚の隣接地...

姫宮古墳(千葉県市原市)を訪問しました

姫宮古墳(千葉県市原市菊間)は、古墳時代の6世紀に造られた前方後円墳です。・全長: 47ⅿ・前方部(→四角いほう)の幅: 21ⅿ・後円部(→丸いほう)の径: 21ⅿ・高さ: 4ⅿ眼下には村田川とその支流によってつくられた沖積平野が見渡せ、6世紀当時はかなりよい眺望であったと思われます。...

真間山弘法寺(千葉県市川市)を訪問しました

古代の悲しい恋物語、真間の手児奈さんをお祀りする真間山 弘法寺(千葉県市川市真間)に行きました。弘法寺(ぐほうじ)は奈良時代に行基(ぎょうき)が手児奈の霊を弔うために創建したと伝わります。鎌倉時代以降、下総国守護の千葉氏に庇護され日蓮宗寺院として発展し、今日に至ります。仁王門に掛かる「真間山」の額は弘法大師(空海)が記したと伝わります。境内には古墳時代6世紀~7世紀に造られた前方後円墳もあるのですが、台地の...

千葉寺(千葉県千葉市中央区)を訪問しました

海上山 千葉寺(千葉県千葉市中央区)は市内最古の寺院の一つで真言宗豊山派の寺院です。千葉寺は地元でも「ちばでら」と呼ばれていますが、「せんようじ」が正しい読み方です。寺伝によると、奈良時代の709(和銅2)年に、この地を訪れた行基(ぎょうき)が十一面観音像を安置したのに始まり、のちに聖武天皇の勅命で千葉寺(せんようじ)と称したといいます。この手の話はだいたい後世の人の作為が働くものですが、そこは大した問題では...
img { pointer-events: none; } img { -webkit-touch-callout:none; -webkit-user-select:none; -moz-touch-callout:none; -moz-user-select:none; touch-callout:none; user-select:none; }