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日比谷公園(東京都千代田区)を訪問しました

日比谷公園(→東京都千代田区日比谷公園)は、東京メトロ日比谷駅から徒歩3分ほどの場所にある東京都公園協会が運営する歴史ある公園です。東京ドーム4個分にあたる16.2ヘクタールの敷地には、江戸時代に長州藩毛利氏肥前藩鍋島氏盛岡藩南部氏狭山藩北条氏などの大名屋敷(上屋敷)があり、明治時代にそれらが撤去されて陸軍練兵場になりました。そして明治時代後期の1903(明治36)年に日本初の洋風公園として日比谷公園が開園しました。開園の翌年2月に日比谷公園とも関わりの深い日露戦争が始まります。

園内には四季折々の花が咲き、春には桜(サクラ)や藤(フジ)やハナミズキ、夏には紫陽花(アジサイ)や梔子(クチナシ)、秋には金木犀(キンモクセイ)や銀杏(イチョウ)、冬には梅(ウメ)などが彩り、一年を通して季節の移ろいを感じることができます。公園の南には日比谷公園のシンボルとなっている「大噴水」があります。直径30ⅿの池から高さ12ⅿもの水が吹き上げ、この日もとても暑かったため多くの人が噴水が見える木陰のベンチで涼をとっていました。
また、園内には「日比谷公会堂」や「大音楽堂」「小音楽堂」などもあり、開園以来、数多くのアーティストが演奏を奏でてきました。


日比谷焼打事件の舞台でもあります
そんな日比谷公園ですが、歴史的には日露戦争の講和条約(→ポーツマス条約)が締結された1905(明治38)年9月5日に「講和反対国民集会」が開かれ、これをきっかけに日比谷焼打事件(ひびややきうちじけん)が発生した場所でもあります。莫大な戦費(増税と外債)を費やし「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」のため重税にも耐え、8万人以上の戦病死者を出したにも関わらず、ポーツマス条約でロシアから賠償金を全く取れなかったことに民衆の怒りが爆発したのです。

暴徒と化した民衆は内務大臣官邸・国民新聞社・交番などを焼き打ちしました。翌日、第1次桂太郎内閣は大日本帝国憲法の緊急勅令の規定により東京市と周辺部に戒厳令(かいげんれい)をしいて軍隊を出動させましたが、約1カ月間、暴動は全国に波及しました。死者17人・検挙者約2000人を出した大混乱の責任をとり翌年第1次桂太郎内閣は総辞職しました。これが都市民衆運動の起点となり、大正時代の護憲運動(憲政擁護運動)大正デモクラシーにつながりました。
なお、大日本帝国憲法下で戒厳令が出されたのは、(1)日比谷焼打事件、(2)関東大震災、(3)二・二六事件の3回のみとなります。

日比谷焼打事件
(写真提供: 山川出版社)


【日比谷公園】
日比谷公園1

日比谷公園2

日比谷公園3

日比谷公園4

日比谷公園5

日比谷公園6

日比谷公園7

日比谷公園8

日比谷公園9

日比谷公園10

日比谷公園11


【大噴水】
日比谷公園噴水1

日比谷公園噴水2

日比谷公園噴水3

日比谷公園15


【日比谷公会堂】
日比谷公園16



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日比谷公園からは戦後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の本部が置かれた第一生命保険本館(現在のDNタワー21)帝国劇場(帝劇)が一望できます。

GHQ1

GHQ2

帝劇1

帝劇2

帝国劇場(帝劇)といえば、旧松代藩士(→長野県長野市松代町)の息女で1913(大正2)年に恋仲にあった島村抱月(しまむらほうげつ→早稲田大学文学部教授)らと劇団・芸術座を立ち上げ、帝劇で「カチューシャの唄」を歌い日本初の歌う女優として人気を集めた松井須磨子(まついすまこ)が活躍した場所としても知られています。



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コメント

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Re: 日露戦争について

>ミスミさん

コメントありがとうございます。
戦没者には軍隊の統帥者(→大元帥)である明治天皇から金鵄勲章(きんしくんしょう)が与えられ、遺族年金は軍隊の階級によって1級~7級まであるのですが、最高位の大将は900円、最下位の二等兵は65円とされていました。大工などの賃金が1日38銭の相場です。賠償金は取れませんでしたが、戦死者の遺族には年金が支払われています。日露戦争は戦没者が多かったため旧村の鎮守社にあたる神社などに行くと忠霊碑(忠魂碑)が建ってることが多いです。

日露戦争について

質問e-4があります。賠償金が取れなかった日露戦争e-351の場合、戦死した人の遺族には金銭的な補償もなかったのでしょうかe-3e-259
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