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長念寺(神奈川県川崎市多摩区)を訪問しました

永池山 長念寺(えいちざん ちょうねんじ→神奈川県川崎市多摩区登戸)は室町時代後期・戦国時代中期の1534(天文3)年に彫られたと伝わる阿弥陀如来像を本尊とする浄土真宗西本願寺派寺院です。1522(大永2)年に僧の法専坊によって創建され、一時期衰えたものの江戸時代前期に秀月禅尼(しゅうげつぜんに)によって中興されました。創建当初は真言宗寺院で、徳川氏が本願寺を東西に分立させた際には東本願寺派に帰属しましたが、江戸時代中期の1701(元禄14)年に西本願寺派に帰属し、今に至っています。

中興開基の秀月禅尼は、3代将軍徳川家光に仕えた菅領主の中根壱岐守正朝の母で、1648(慶安元)年に亡くなっています。中根壱岐守の娘は昨日ご紹介しました善立寺の番神堂を建てたことで知られています。寺には秀月禅尼が亡くなった2年後に制作された縦65.5cm、横27.5cmの掛け軸である絹本(けんぽん)着色秀月禅尼画像があり、川崎市の重要歴史記念物に指定されています。
この他、神奈川県重要文化財指定の紙本金地著色鳥合図屏風(しほんきんぢちゃくしょくとりあわせずびょうぶ)と川崎市重要歴史記念物指定の木像阿弥陀如来立像が所蔵されています。

現在の本堂と庫裏(くり)は江戸時代後期の文化・文政期(1804年~1830年)に、山門は幕末期の1854(嘉永7)年に再建されたもので、平成年間に大改修が行われています。嘉永7年は正月早々2度目のペリー来航があり、3月3日に日米和親条約を結んで日本が開国した年でもあります。
庫裏(くり)の天袋の絵は江戸時代後期の画家谷文晁(たにぶんちょう)や、戊辰戦争で江戸城無血開城に尽力した幕臣山岡鉄舟(やまおかてっしゅう)が宿泊した際に筆をふるったものと伝わります。


【説明版】
長念寺の説明版2

長念寺の説明版1


【長念寺の山門】
丸柱の前後の控えの角柱を立てた四脚門で、丸柱の上に冠木(かぶき)を渡した和様形式です。幕末期の1854(嘉永7)年に上棟式が行われているのでそれまでに完成していたと考えられます。大工棟梁は地元登戸(のぼりと)村の小林信久、彫工は江戸深川の後藤氏前と記されています。

長念寺の山門1

長念寺の山門3

長念寺の山門4

長念寺の山門5

長念寺の山門7

長念寺の山門8

長念寺の山門追加

長念寺の山門6


【長念寺の本堂】
川崎市の重要歴史記念物に指定されています。本堂は江戸時代後期の1824(文政7)年に上棟された建物で、1848(弘化5)年に落慶供養が行われています。屋根は急峻な勾配を持つ寄棟造(よせむねづくり)の茅葺(かやぶき)で、完成時は瓦を葺いていたといいます。大工棟梁は地元登戸村の小林源三郎と上平間村(→現在の神奈川県川崎市中原区)の渡辺棟暁と記されています。

長念寺の本堂1

長念寺の本堂2

長念寺の本堂3

長念寺の本堂4

長念寺の本堂5

長念寺の本堂6

長念寺の本堂7

長念寺の本堂8

長念寺の本堂9

長念寺の忠魂碑4


【長念寺の鐘楼】
江戸時代前期の1703(元禄16)年に造られた梵鐘は、太平洋戦争のため1942(昭和17)年に供出され、戦後の1948(昭和23)年に再鋳されたものです。龍の彫刻が施されていて左官職人など職人が多く住んでいた登戸村の寺社らしい凝った作りになっています。

長念寺の鐘楼1

長念寺の鐘楼2

長念寺の鐘楼3

長念寺の鐘楼4

長念寺の鐘楼5

長念寺の鐘楼6


【長念寺の忠魂碑】
日露戦争・日中戦争・太平洋戦争の戦没者の忠魂碑の他、1877(明治10)年の西南戦争(→西郷隆盛を担ぎだした鹿児島私学校生らの叛乱)における登戸村出身の政府軍戦没者の供養碑も建っています。

長念寺の忠魂碑1

長念寺の忠魂碑2

長念寺の忠魂碑3


【長念寺の親鸞(しんらん)像】
親鸞(1173年~1262)は鎌倉時代前期から中期に活動した浄土真宗の開祖で父は公家の日野有範(ひのありのり)です。天台宗総本山の比叡山延暦寺(→滋賀県大津市坂本本町)で修行した後、京都六角堂への参籠を機に浄土宗開祖法然(ほうねん)に師事し、承元の法難で越後(→現在の新潟県)に配流となりますが、赦免後に関東に赴き布教活動を行い、阿弥陀仏を信じる心をおこすだけで極楽往生できると説きました。絶対他力を唱え、悪人正機説を立てて地方武士や農民に布教しました。

長念寺の親鸞像1

長念寺の親鸞像2


【長念寺の境内・東門】

長念寺の境内1

長念寺の境内2

長念寺の境内3

長念寺の境内4

長念寺の境内5

龍の彫り物があちこちに見られ、美術的にも見所の多い寺院でした。


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