巣鴨プリズン跡(東京都豊島区)を訪問しました
12月中旬、サンシャインシティ文化会館ビル2階の展示ホールで開催された博覧会に行き、サンシャインビルに隣接する東池袋中央公園(→東京都豊島区東池袋3丁目)に立ち寄りました。公園の一角に巣鴨プリズン跡慰霊碑「永久平和を願って」という石碑があります。
サンシャインシティと東池袋中央公園がある場所は、かつて巣鴨拘置所(→のちに東京拘置所と改称)が置かれていた場所です。戦時下の1944(昭和19)年11月7日には、1941(昭和16)年10月に発生したゾルゲ事件(→日本政府の外交・軍事機密をソ連に通報した事件)で逮捕され死刑判決を受けた駐日ドイツ大使館顧問リヒャルト=ゾルゲ(→ソ連のスパイ)や共謀者の尾崎秀実(おざきほつみ→近衛文麿内閣のブレーン)らの刑が執行されています。
終戦後、太平洋戦争に敗れた日本は連合国軍の占領下に置かれました。その際、東京拘置所はGHQ(→連合国軍最高司令官総司令部)に接収され「巣鴨プリズン」と呼ばれました。ポツダム宣言に基づき「戦争犯罪人(→戦犯)」が次々逮捕され、A級戦犯28名、B・C級戦犯5400人余が極東国際軍事裁判(1946年5月3日~1948年11月12日)にかけられました。A級は「平和に対する罪」、B級は「通常の戦争犯罪」、C級は「人道に対する罪」という区分です。
11名の裁判官の多数決によりA級戦犯28名のうち7名に絞首刑判決が下り、1948(昭和23)年12月23日に刑が執行されました。7名の内訳は以下の通りです。
・東条英機(→太平洋戦争開戦時の首相)
・広田弘毅(→二・二六事件後の首相)
・板垣征四郎(→満州事変の首謀者)
・土肥原賢二(→満州国建国・華北分離工作の中心)
・木村兵太郎(→ビルマ方面軍司令官)
・松井石根(→南京事件の責任者とされた)
・武藤章(→捕虜虐殺の責任者とされた)
なお、A級戦犯は1956(昭和31)年までに処刑・釈放され、B・C級戦犯も1958(昭和33)年までに全員釈放されています。
東京拘置所が現在地(→東京都葛飾区小菅1丁目)に移されたのは1971(昭和46)年のことで、旧東京拘置所跡地にサンシャインシティが建てられ、1978(昭和53)年10月にグランドオープンしました。巣鴨プリズン跡慰霊碑「永久平和を願って」が建てられたのはサンシャインシティ開業の2年後、戦後35年目となる1980(昭和55)年のことです。
【巣鴨プリズン跡慰霊碑】









【巣鴨プリズン】

(写真提供: 毎日新聞社)

(写真提供: 毎日新聞社)

東条英機(写真提供: 毎日新聞社)
【極東国際軍事裁判の判決】

(写真提供: 朝日新聞社)
【慰霊碑から見るサンシャインシティ】

****************************
↓↓靖國神社について
↓↓遊就館について


スポンサーサイト

コメント
Re: 東京裁判の是非
>名無しさん
コメントありがとうございます。質問は歓迎します。
広田弘毅は東京裁判で極刑に処された唯一の文官として知られ、わずか1票差の判事団の表決で絞首刑となったことから「悲劇の宰相」と見なされます。ただ、良い悪いは別にして国体護持と引き換えにポツダム宣言の履行が義務付けられた以上、昭和天皇を戦犯リストから外す以上は、誰かがその責任を取らなければなりません。
戦争の責任を広田弘毅だけに負わせることは公平ではありませんが、1933(昭和8)年秋から5年近く外相や首相を歴任した以上、少なくとも責任の一端は広田にあると考えざるを得ません。広田としても責任を感じていただけに、あえて証言台には立たなかったのだと推察します。二・二六事件後に組閣となった広田内閣は軍と政党の対立から瓦解することになりますが、帝国国防方針の改定に伴い「国策の基準」(→首相・陸相・海相・蔵相・外相で決定。ソ連と戦う北進論に加え、対米英の南進路線を強化するため軍備の大増強と内政改革による国家総動員体制を目指す)を決定し、準戦時体制を作り上げています。また、軍部大臣現役武官制の復活、日独防共協定の締結など、軍国主義国家体制への道を開いたのは広田内閣でした。
外相時代も軍部に抵抗する姿勢は弱く、ポピュリズムに流されがちでした。そのことは、天羽声明・華北分離工作・盧溝橋事件・上海事変・南京占領などの対応、さらには「国民政府ヲ対手(あいて)トセズ」などで表面化します。「日満支」の地域秩序構造(→日中提携)に意欲を示した広田ですが、肝心な所で熱意を失いがちであったことが1票差の判事団の表決にも表れたと考えます。
2023-02-02 10:03 副会長 西住りほ URL 編集
東京裁判の是非
2023-02-02 03:24 名無し URL 編集
日本有事と急がれる改憲、大変恐縮に存じますがどうかこの危機を皆様に知って頂きたいです
敵国が望む改憲阻止の為、中韓と連携し野党メディアが倒閣へ扇動をかける状況にどうか気付いて頂きたいです(09年は扇動が成功)
国防妨害一色の、メディアが全力で守る野党は、北と韓国政府から資金投入の朝鮮総連、殺人の革マル等反社勢との連携、大炎上中のcolabo等は一切報じぬ裏で、
中朝は核の標準を日本に向け、侵略虐殺を拡げる現在、日本の尖閣に侵犯を激化する中、改憲せず攻撃力を持たずの現防衛力では、
多くの日本人を銃殺した韓国の竹島不法占拠、北の日本人拉致、中国の尖閣侵犯にも、9条により日本は国を守る為の手出しが何一つ出来ない事が示しています。
中韓の間接侵略は、野党が法制化を目指す外国人参政権や日本人のみ弾圧対象ヘイトスピーチ法、維新道州制等、多様性と言う"中韓の声反映"に進んでおり、
野党メディアが09年再現へ世論誘導をかける今、中韓浸透工作は最終段階である事、
日本でウクライナの悲劇を生まぬ為、一人でも多くの方に目覚めて頂きたいと切に思っております。
長文、大変申し訳ありません。
2023-01-09 03:26 aki URL 編集